2004年11月。吉田病院の新田初美ドクターからいただいた新潟県中越地震で被災された皆様宛のケアメッセージです。

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■お父さんお母さんへ - 子どものこころのケアについて

 突然の大災害に遭遇され、余震の続く中、いまだに不安で不自由な生活を送っておられること、心より御見舞い申し上げます。大人でも耐え難いこのような体験は、子どもたちには、もっと大きな心の痛手となっているかと思われます。がまんしてがんばりすぎていることもあります。被災した全ての子どもに、こころのケアが必要です。子どもには次のような接し方でお願いします。

1.子どもに安心感を与えるようにする。ことばだけでなく抱きしめたりするのもよい。

2.子どもが悲しみや恐怖の感情を自分から話すようなら、十分に聞いてやる。恐怖の体験を思い出してパニックになっているようなら、地震直後と今は違うということを子どもが理解できるように時間をかけて話す。

3.24時間、子どもを独りぼっちにしない。

4.他の子どもとよく遊ばせる。

5.年齢によっては、手伝えることがあれば手伝いをさせ、自分が役に立っていると子どもに実感させる。

 子どもが下のような症状を出してきましたら、叱ったり励ましたりせずに、わかってあげて安心させて下さい。それがいつまでも続いたり、段々ひどくなるようでしたら、ためらわずにご相談ください。

1.突然不安になったり、興奮する。

2.突然現実にないようなことを言い出す。

3.必要以上におびえたり、敏感すぎる。

4.落ち着きがなくなったり、集中力がなくなる。

5.表情が乏しくなり、ボーッとしている。

6.引きこもって、まわりの人との関わりをいやがる。

7.眠らない。

8.繰り返し悪夢を見る。夜泣きや夜驚がある。

9.著しい赤ちゃんがえりがある。

10.自分が悪いからこんなことになったとか、あれこれ心配しすぎる。

11.頭痛、腹痛、息苦しさ、吐き気、めまい、頻尿、おねしょ、おもらしなどの体の症状や体の一部が動かなくなったり、ときに意識がなくなり倒れるなどの症状がある。

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