【エッセイ第13回】

ポポンさん

「はじめましてポポンです」

 はじめましてポポンです。

 ポポンというのは、以前テレビに流れていた「ポポン○錠」のビタミン剤のコマーシャルからきています。女優の小林聡美さん演じる主婦が『アタック No.1』の歌に合わせて、掃除・洗濯・料理とがんばるのだけれど失敗の連続、で最後に一言…「♪〜だって…涙が出ちゃう 疲れてるんだもんっ♪」その姿が自分に重なって、おかしいやら悲しいやら…、とにかく私の日常そっくりなんですもの! そんなわけでポポンになりました。『アタックNo.1』にハマって、バレーボールに燃えていた若かりし頃(?)を思い出します。なつかしいな〜。

 さて、我が息子は3人きょうだいの3番目。(上の子のときとなんかちがう)(でも、何がちがうのだろう?)と、ずっと心の中で感じていました。それが障害とわかったとき、出口の見えないトンネルに入ってしまったのです。息子が2才頃のことでした。暗いトンネルの中で、私は必死になってもがいていました。

 あの頃の支えは、上の子たちの存在でした。もちろん息子のささやかな変化や笑顔・成長も励みになりました。この子たちのために元気をださなければ…と無理して"明るいお母さん"を演じていたように思います。
そして、ある本の中の『本当につらいのは親ではなくて、障害をもった本人なのだ』の言葉にハッとして目のさめる思いがしたのを覚えています。

 トンネルの中が少し明るくなったのは、息子がH園(障害幼児通園施設)に入園してからです。子どもが障害を抱えていても、お母さんたちが皆明るくて元気なのです。同じように悩み苦しんだ時期があったはずなのに…「つらいのは自分ひとりではなかったんだ」と気づいたとき、前向きな気持ちになれたように思います。

 そして、トンネルから抜け出せたのは、親の会への入会と小学校入学のころでしょうか。
それまでいろんな迷いや悩みもありましたが、ようやく私も「障害を持っていてもいいじゃん!親子で一生懸命がんばってるんだから!!」と開き直れるところまできました。また、親の会でいろんな話を聞いたり、太田ステージやTEACCHなどの勉強をしたりすることも、目からうろこ状態でした。「♪〜そんなこんなの日々を過ごして〜♪」ようやく私も鋼(はがね)のような母となりましたデス。(たぶん…)

 今の息子は…学校大好き、パソコン大好き、電器屋さん大好き、自動販売機大好き、スーパー大好き、デパート大好き、ドラえもん大好き、ガンダム大好き、温泉大好きな小学4年生になりました。
 最近思うのです。子どもが自閉つながりで知り合えた親の会の仲間たちを、これからもずっと大事にしていきたいなと。
そして、親として、子どもたちが幸せに生きられるように、みんなで力を合わせていきましょう!!



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