【エッセイ第14回】

御大・低気圧さん

「夫のつぶやき・ボヤキ」

私のハンドルは御大・低気圧です。以前、息子の大好きなものからとった無難なハンドルがあったのですが、なんとなくしっくりこない…。そんなとき『虚弱体質』という、私にピッタリのハンドルを見つけたのです。しかし、「よこせ!」とも言えず…。そこで「アタシにピッタリのハンドル考えて」と、募集をかけました。

いくつか集まりましたが、ある日、ウーピー隊長が私のことを「おんたーい(御大)」と、呼びかけたメールがメーリングリストに流れまして、それを読んだ亭主が、「テーキアツ(低気圧)つけれっや」と、ぬかしまして、「ピンポーン、決定!」と、相成りました。(けっこう、気に入ってたりなんかして、ウフフフ)

エッセイに何、書こうかな?そうだ!亭主のぼやきを書こう!!で、”綾小路きみまろ風”にまとめてみました。



この業界で、華々しく活躍しているこの妻が今あるのも、み〜んな私のおかげです。思い起こせば17年前、私によく似たカワイイ男の子が生まれました。しかし、この子、ナンカ、ヘンダゾ?よく泣き過ぎる、歩き始めるの遅い、歩き始めたら走ってばっかりいる。しゃべらない・・・・・・・。

そんなある日、妻が「H小児療育センター行こて」と、嫌がる私を無理矢理に、アッレー!1回で終わりかな? トンデモナイ!以来、15年、ながーいお付き合いになりました。

息子の教育に専念する妻に代わって、私は娘の育児をイッテに引き受けました。たいした器量でもない娘を、「カワイイ、カワイイ」と育て上げ、立派に育った娘は、今や私をバイキン扱い。正常な反抗期を迎えております。「アーア」 と、タメ息一つ。

”パパ、パパ”

抱っこをせがんだ、アノ日に戻りたい。

「娘が僕をいじめるぅー」と、妻に泣きつくと、「育てたのはアンタらねかて」と、つれない返事。わが身の不幸に泣き崩れる毎日でアリマス。ヨヨヨヨヨ……。

しかし、しかしです、皆様。この業界に入って、早15年。「保育園行こて」「小学校行こて」「中学行こて」「高校行こて」「教育長と会うて」「介助つけてもらおて」「講演会行こて」と、妻にヒッ、引きずられて、普通なら体験できないことを経験し、知り合うこともなかったであろう人と付き合ったこのトシツキ。しなくてもいい苦労だったのか? はたまた充実した年月だったのか?

よくは、わからないのでアリマス。

妻は、勉強に勉強を重ね、態度のデカサは今や”ボブ・サップ”。内外ともに、ゆるぎない地位を保っております。

これから先、息子の就労、自立へ向けて、オトーサンの『耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ』苦労の日々は続くのでアリマス。本日は、これにて。ご拝読、ありがとうございました。



方言解説:新潟歴18年ウーピー●つけれっや=つけろよ●行こて=行こう●アンタらねかて=アンタじゃないの



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