【エッセイ第24回】

ぽあぞんさん

「ぞん…只今、成長中」

私はぽあぞんです。変でしょ?何だろう、っと思うでしょーん!

息子(小学3年生)は「象」が大好き。けれど、象のことをぞんと言うの。「ぞうさん」って歌がありますよね。♪ぞーさん、ぞーさん♪って唄ってあげていたし、テレビで象を見つけては指さしするから「ぞうさんだね」と声かけしていたのです。そのせいでしょうかねぇ。

象=ぞうさんとなってしまったようです。

でも、発音できないのね。で、言ったのがぞんでした。ハンドルを考える事になって、何にしようかと思った時に息子の好きなぞんを使いたくって。それにプラスして、私にはがたくさんあるので、ってことですわ。ってよりは、少し柔らかい気がする?かしらねー?へへへッ。

さーてっと、息子の事の前に、少し家族のことも…。父・母・兄('84誕生)・姉('86誕生)ぞん('94誕生)5人家族です。父は仕事で留守が多いです。兄姉とは年齢が離れてる事で、楽な事も、大変な事もあります。ミニパパとミニママとなるのですわ。大人としての理解はあるけれど、同じ目線にたっての遊びはありません。しかたない事です。ぞんは、色白で可愛い子でした。どこへ行っても女の子に間違えられました。3番目の子だから…、親の歳を知っているのか…手の掛からない子でした。今思えば、大きな勘違いなんだけど。

成長していって何か違うんだよね。上の子たちと…。喃語もないし、笑うことないしさ。そんなこんなで1才6ヶ月健診、保健婦に相談したよ。「男の子は遅いから、様子をみましょう」だったわ。そんなもんかなぁって、不安だったけど…。

冬のある日、風邪で小児科に行った。医師からは、風邪以外のことばかり聞かれる。「ことばがないよね。いくつ?」「紹介状書くから行ってください。」で、はまぐみに行った。それからです。発達に遅れがある+自閉症+葛藤+悩む+落ち込む等々…。医師から話しを聞いても納得できず「治りますか?」と、聞いたりしてましたわ。この世の不幸が私のところにー、って思った。泣いたしさー。今までには経験したことない程の、どんよりとした精神状態でした。でもね、変わり身の早い私になった。「私の子だけじゃないはずだ。どこかにいるはずだ。」親として、同じ目線で悩んでる人たちや先輩の人がいるって…。

いるんだもーーん!!

その後、子ども相談センター、ひしのみ園を経て小学校入学しましたよん。成長の途中では悩むことも多いさ。何もなければ「学区」の学校に、だったはず。でもね、よく子ども本人を見たりとか、動作の一つにも一喜一憂したりとか、「自閉症」と向き合うようになってから、色んな事の見方が変わったような気がする。当たり前にできる事の大変さ、普通の意味、世間などなど。で、この夏休みの話

父の実家でいとこ達と過ごす

前は嫌いだったはずの子どもの声に紛れているのに、笑顔がいっぱいだった。一緒には同じ遊びもできないのに、ゲームを覗いたりしてた。親戚が集まってのバーベキューでも、私がいなくても全然平気だった。花火にスイカ割り…楽しかったよ!

もう一つ!

夏休み子ども水泳教室

バス+電車を利用して通った。ある日、電車に乗り遅れた!1本遅れのに乗車した。いつもならばー、すぐに動く電車。「乗り遅れたから待っていようね。」と、声掛けた。ぞんは、泣き始める。混乱の始まりだった。混乱が始まった時に、私の心の中では「私の子は自閉症だー!今は混乱してるけれど、他人には噛みつかないからー」って大きな声で叫びたかった。叫べばよかったのかも…。車内の「目」が痛い…。「電車が動かない プールに行けない 悲しい」と、ぞんなりに私に伝える。どうしようもなくなってしまったらしい。

噛まれた!

でもねぇ、その後には納得できて落ち着いたんだよ。車内の目&噛まれたことは、痛かったけれど、別のところでは嬉しく思った。だって、混乱も短い時間だったしさ、涙をタオルで拭いたりしては「プール行く」と、呟くの。「大丈夫だよ、行こうね」って、ことばで納得できた。

最近は、色んなテレビ番組で「自閉症」を紹介?するようになった。 見た目では理解してはもらえないし、勘違いされることも多いんだ。 どこへ外出しても(例えばイベントのゲームとか)、 親の私が「自閉症児だけど参加してもいいですか?」って、聞くと 「???」の顔だ。 もっと、たくさんの人たちが「自閉症」をきちんと理解して下さるのなら、 ぞん親子+αの人たちが生きやすい世になるのになぁ…。 成長するのにも、理解できるようになるのにも、生活の基本的なことでも、 何でも身に付くのには、大変な時間と周囲の理解が必要なんだけれど、 しっかりと身に付くと、きちんとできるんだよね。 嘘もないんだよね。 いつでも真っ直ぐに、直球勝負してくるんだよね。 受け止める体力が母には必要とされるんだと、思う日々なのでした。 できるならば、若返りの特効薬欲しいなぁ 『白雪姫』の魔法使いのおばあさんのように あれこれと混ぜて作っておくれー! やっぱしかなぁ?へッへッへッ〜。



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