【エッセイ第44回】

袋小路キミダロさん

「高校受験」

私のハンドルは 袋小路キミダロ様 だそうだ。いつのまにか決まっていた。それを聞いたとき『??????』だった。しかし!しかし!ハンドルのもとになった某タレントより私のほうがゼッタイいい男だと思っている。

さて、本題。今回の新潟県立高等養護の不合格の結果を聞き、障害を持った子が、こんなに選択肢のないものだということに驚いた。数合わせだけでいいものではない。息子もそうだが、一つ覚えるのに健常児の2倍も3倍もかかる。それゆえに2倍3倍の教育が必要。

2年前の息子の受験を思い出した……。息子は中学1年の途中から、特殊学級へ転籍。3年生になりいよいよ受験シーズン。特殊の担任から「普通に高校を目指したら?」の一言で、いろいろ悩み苦しみ私立高校受験。一縷の望みを託したが失敗。親子の落胆。公立入試までの一ヶ月、「今度落ちたらこれからどうしようか」などなど……。今回不合格になった親の気持ちは痛いほどわかる。一ヶ月、モンモンとした公立の受験、結果「まさか」と思った合格!そのときのホッとした気持ち、喜び。その反面「実際ついていけるのかどうか」という不安。その不安大当たり!入学から一学期の間のトラブル。当然のことながらの赤点。幸いにすばらしい担任と学校の理解に恵まれ、今は落ち着き、今春3年生に。 来春は進学?就職?どうなるのか?今年もまだまだ頭の痛い年になりそう……。

下の娘は今年同じく高校受験。妻は息子に掛かりきりだったので、当り前のことながら娘は私が育てた。『かわいいかわいい』と育てた結果、とても素直でいい子に育ち…?そこまでは良かったが、性格まで似て育ってしまったようで、わが身を見ているようでなんか変な気持ちである。

私自身が高校受験のとき、我が家は由緒正しい平民の子、よって由緒貧しい生活をしていたわけで、私立高校などそんな余裕も無い。学力にあったところへ行く。公立一本。落ちたら働く。『それしかない!』とそれなりに必死?だった。

娘はどうか?スベリ止めに私立受験。本命の公立受験。それでもだめなら二次募集、定時制、通信制…。いくつも自分で選択できる。

我が家は、最終志望校を決めるまで、私と娘との親子の葛藤があり、息子の時とはまた違った心配(受験までの一ヶ月)があった。

結果は合格。妻も娘も「当り前ジャン」なに!これ!私ばかり心配していてなんか変な気分。娘はと言えば、入学までの今の日々、羽根を伸ばしに伸ばして遊びほうけている。今までの私の心配苦労はいったい、何だったの?と思いつつ甘え上手の娘から「あれ買って、これ欲しい、ここ行きたい」と言われ「おーー、ヨシヨシ」と言っている自分。『何か変だぞ』と思いつつも、嬉しくてしかたがない バカ親 である。



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