【エッセイ第49回】

ちるちるみちるさん

「私の青い鳥」

私の名前はちるちるみちる。♪ようこそ、ここへ〜♪と昔歌ってた、桜田淳子と誕生日が同じです。(年は違いますよ)ちなみに今井美樹、工藤静香も同じ日です・・・って関係ないか(笑)このハンドルを〆切ぎりぎりまで考えていたという、のんきで楽天家な母でございます。

我が家の長男アッシュ(彼の名前の頭文字です)が生まれたのは約10年前・・・小さくてか弱いと思ったのもつかの間、1ヶ月程で標準体重を上回り、よく飲み、よく寝る、あまり手のかからない子どもだったように思います。

6ヶ月頃、名前を呼ぶと「え゛ー」と反応していたし、CM好きで、1歳過ぎてからNTTを「エッテッテー」などと言ったり、企業名やマークなどを暗記して、"彼は天才かも!?"と思っていたのです。しかし、私が「ダメだよ」と注意をすると壁や床に頭突きをしたり、言葉もなかなか出てこなくて心配しているさなか、1歳半健診では「お母さんの関わりが薄いからだ」と保健師さんに言われショックでした。言葉はこちらが言ってることが理解出来てるから、わからないわけじゃないんだし、「男の子だからちょっと遅いだけだよ」と、周りの人に慰められ私自身もそう思ってました。

その後親子サークルに入り、他の子と少し違うかなと思いつつも、言葉も出てきて、(といっても、自分の言いたいことを言うだけで会話にはなってなかったかな?)3歳児健診がやってきました。車や国旗に興味を持っていた彼は、名前を呼ばれてすぐに返事ができ、保健師さんとも会話が出来たので(国旗の話で盛り上がった)、リベンジを果たした気でいました。

でも、幼稚園入園後、「お友達と関われないから、どこかに相談したほうがいいのではないか」と園の先生に言われ、自分であちこち探しました。(探してはくれなかったので・・・)『こども相談センター』に行き月1回の個人指導、年長になってからは週1回のグループ指導となり、"こんなのでいいのかな?"と思いつつも通ってました。

就学時健診では「情緒障害があるから特殊学級」と判断されました。

"情緒障害って何?" "ひょっとするとADHDかな?でもちょっと違うみたい。自閉症?まさかねえ・・・"

認めたくない気持ちと、「別に病院行くほどじゃない」って言われたこともあり、"ちょっと遅れているだけだよね〜"とお気楽に構えていた私は、戸惑い、憤り、怒り、さんざん迷った末、"普通学級に通わせたい。コミュニケーションが苦手ならなおさら普通の子と関わらなきゃ"と思い、教育委員会や校長に話し合いに行きました。出た結論は「介助は付きません。お母さんが付いてくれるなら普通学級でもいい。」でした。私は働いていないので付き添いは可能でしたが、"じゃ働いている人は泣き寝入りか、仕事を辞めなきゃいけないの?"と、とても理不尽だと感じました。核家族の我が家は下の子が未就園児だったので、しばらく私の実家に預かってもらっていました。幸いアッシュは離席することもなく、また小学校は少人数で担任の先生の理解もあり、付きそうのは日に1時間程でいいし、下の子を連れて行ってもいいことになったのでした。

ある日小児科で風邪を診てもらった際にお医者さんに相談したところ、『はまぐみ小児療育センター』を紹介されました。診断名は『広汎性発達障害』。

"何じゃそりゃ?" "自閉症って治るのかしら??"

説明を聞いたり本を読んだりするうちに、さすがの私も落ち込み悩みました。「今まで何をしてきたんだろう?これからどうすればいいのだろうか?」と・・・。

そんな時、この親の会を教えてもらい、今だけのことだけでなく、将来(就労)に向けても考えていこう!という主旨だったので、即入会したのでした。お子さんのタイプはそれぞれ違うものの、パワフルでバイタリティ溢れる頼もしいお母さんたち。引っ込み思案で内気な私は、そんな先輩ママたちに励まされ、アドバイスしてもらっています。

今アッシュは4年生!毎日休まず元気に学校に通っています。ナイススマイルな彼は女の子に人気があり、何かと世話を焼いてもらっているようです。これからもいろいろあるとは思うけど、彼のチャーミングな笑顔が絶えることのないように見守っていこうと思っています。魔法のダイヤモンドはなくても、アッシュのいいところをいっぱい探しながらの旅は続くのです・・・。



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