【エッセイ第51回】

ゲラママさん

「一期一会」

私のハンドルはゲラママです。「ゲラちゃん」・・・これは主人の学生時代のあだ名です。私の家族はゲラパパ、ゲラママ、ゲラボンの3人家族。ゲラボンは現在4歳!

こどもが大好きな私は、ゲラボンが産まれる事を心待ちにしていました。しかし、産まれてきた赤ちゃんは抱っこやおんぶを嫌がる。一緒に読もうとした本も私に投げつける。スーパーに行けば泣いてばかり。夜泣きは毎晩・・・もうくたくたでした。「子育てって大変・・・」「あんまりカワイクないかも・・・」なんて思ってしまった。

年齢もあるのだろうけど、歩き出してからは多動で大変。名前を呼んでも止まってくれないし、どこまでも、どこもまでも行ってしまう。外出するにも、非常階段の『階数』にこだわって、7階建てのマンションの上から下まで3往復(確認)しないと出かけられない。だからいつも、30分早めに出るようにしていました。

「何に興味があるのか」「どこに行きたいのか」ボンの気持ちが知りたくて、訳のわからぬまま、通り道のマンションの階段、エレベーター、ずっと付き合いました。そして、ボンに合わせて行動するという事は、100世帯もある社宅に住んでいた私が、ママたちの世界で孤立していくということでした。「こんにちは〜!」と言ったと思ったらすぐに「さようなら〜!」。そのうち、「お茶に誘っても大変そうだしね・・・」一番子育てに悩んでいた頃だけに、みんなとすごく話がしたかったな。2歳までずっと自分を責め続けました。自分の躾が悪いのだと。

やっぱり納得できない・・・何かが違う。周囲の反対を押し切って東京の「Oクリニック」に連れて行きました。診断名は「自閉症」自分の躾のせいではない。2年間悩んでいた事がスッキリしました。これで方向性が見えてきた。一般の育児書を片付け、自閉症の勉強を始めました。その頃、主人の転勤で新潟にやってきたのです。

新潟では素敵な出会いがたくさん待っていました。新潟でのお友だち・・・こどもの小さな成長を互いに喜びあい、一緒に泣いてくれたり、バカ笑いしたり・・・私の支えになっています。先生方、先輩たち、お友だち、口に出さずとも本当に感謝しています。ありがとう。あ、忘れてた・・・パパもありがとう!

ボン、君はどんな大人になっていくのだろう。これからも素敵な出会いが待っているといいね。ママもとても楽しみにしているよ。



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