【エッセイ第60回】

GとYのママさん

「水泳とサッカーと大縄跳びと」

小4と小2、共に男の自閉症児を持つGとYのママでございます。子どもの名前の頭文字をとっただけのことで、ごくごく単純にさせていただきました。

GとYは、水泳教室(月3)と、サッカー教室(月2)に通っております。どちらもかれこれ3年近くになります。G(小4)は、昨年の5月に、新潟県障害者スポーツ大会の水泳競技(オープン参加)に初めて出場し、25m背泳ぎで、一度も足をつかずに最後まで泳ぎ切ることが出来ました。もちろん、泳ぎ方は上手ではありません。仰向けになり、手と足をなんとなく動かしているような感じ。けれど、そこにたどり着くまでにGは母の愛?のムチと怒鳴り声に負けず、頑張ってきました。本当に涙が出るほど嬉しかったです。だってウチの子が水泳大会に出場すること自体驚きで、もう何年ぶりでしょう、こんなに熱い気持ちにさせてくれたのは…。改めて、この子が持つ可能性に希望が持てました。現在Gは、クロールっぽい泳ぎも少し出来るようになり、Y(小2)は、浮具をつけて背泳ぎが、少し泳げるようになりました。

次にサッカーのこと。始めた当初は、「何やってんの〜」って感じで、サッカー自体よく分らないのに「はい、パス!」とか「はい、シュート!」って親が身ぶり手振りで、汗だくになりながら教えていました。我が子にパスをして、それがたまたま左にそれるとGはお約束のように、そのボールを見過ごしていくのです…。「左足を出さんか〜い!」親は心の中で何度も叫びました。そんなこんなで現在は、パスもシュートも、やっとそれらしくなってきました。

そして、いつも最後に大縄跳びをします。最初はみんな“大波小波跳び”で始まって、次は“回し跳び”にいきます。この大縄跳びで、あるドラマがあったのです。

同じサッカー教室に来ているEくん(小4)は、大波小波跳びは、できるようになっていました。GとYはすでに回し跳びができるようになっていましたので、Eくんもできるかもしれないと思い、ためしに縄を回してみたら「こわ〜い!」と、…。それ以降Eくんは「縄を回しません」と、確認を取ってからでないと、大波小波も跳べなくなってしまいました。

ところが、それから何日かしてEくんは、覚悟を決めたのでしょうか。ありったけの勇気を振り絞り、自分から「縄を回します!」と宣言したではないですか。そして、ついに、回し跳びが跳べたのです!!その時のEくんの必死な顔といったら、いまでも忘れられません。感動でした!

水泳教室やサッカー教室などを通して感じたことは、どんな子どもにも、その子に秘められた可能性があるのだから、親が勝手に『ウチの子は無理』と、思い込んではいけないんだなってこと。

何だかウチの子の自慢話がほとんどになってしまいましたが、愛する我が子の自慢話のひとつやふたつ、あってもいいんじゃな〜いと、思う今日この頃でした。



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