【エッセイ第63回】

きょうちくとうさん

「すべての先生ありがとう」

新しい家に移り住んだ時、裏のお宅からいただいた、きょうちくとうの鉢植えがありました。高さ60センチ、暖かい頃に白い花をつけるかわいい鉢植えでした。2〜3年くらいたったころ庭に植え替え、その花のことは、すっかり忘れていました。そして6年目、気づいた時には、緑の茎は、直径が3センチ位、高さは2メートルほどの枝に。まさに大樹に育ちつつありました。こんなに大きくなるとは思わなかったので、大変驚きました。その後も枝を剪定し、今でも元気に育っています。

我が子たちには、大地にしっかりと根を張り、華やかではないけれど、かわいい花を咲かせるこのきょうちくとうの様にたくましく育ってほしい。そんな思いからこの名をハンドルにしました。

みっちゃん

とても元気に生まれて、夜泣きもなく、不思議なくらいおとなしいよい子。ところがお座りを嫌がり、つっぱるばかり。さらに、つかまり立ちなどするわけもなく。きわめつけは、2歳ころからでていた片言が消え、やけにむずかるように…。でも、そこからは、すばらしい先生との出会いが待っていました。

〜〜〜〜〜

実家近くの小児科の先生

自閉症に詳しく、たくさん励ましていただきました。児童精神科の先生をご紹介くださり…。

児童精神科の先生

療育について、「子どもの良いところ得意なことを見つけて、伸ばしてあげましょう。本人が楽しくなるように環境を整えることが大切です。」とお話しくださり、また、学校選びの参考になる所見など、沢山のことを教えていただきました。現在も診ていただいてます。

センターの保育士の先生方

未満児の時、遊びなど工夫して体全体を使う運動から、ままごとのような指先を使う遊び、そして絵描き歌など、この子たちの楽しめる体験時間を作ってくださいました。そして、幼稚園へ行くことを勧めてくださり、入園後も園の方まで様子を見に来てくださいました。

幼稚園の先生方

家の近くにあり、年少クラスは14人の少人数の幼稚園でした。入園前から、子どものことは隠すこと無く詳しくお話ししました。快く入園を許可して下さったうえに「私たちも、自閉症について勉強しながら保育に携わらせていただきます。」この園長先生の言葉には、感謝の気持ちでいっぱいになりました。園でのいろいろな行事にも、この子のできる範囲で参加することができ、また、お友だちがとても仲良くしてくれました。それも先生の導きがあってのことでした。感謝の思いから、私も恩返しにと、幼稚園の役員をやらせていただきました。ほかの園児のお母さんたちともお話しすることで理解してもらえて、とてもうれしかったです。卒園した今も、小学校の行事のたびに様子を見に来てくださっています。「みっちゃん、成長しましたね。」その都度いただける言葉が、なによりも励みになります。

小学校の先生方

春からは2年生になります。担任の先生方は障害児教育のスペシャリスト。入学後は、たったの3ヶ月で著しく進歩が見られました。言葉もすごく増えたし、積極的になりました。いつも先生方が温かく接してくださるので、学校が大好きになりました。2学期の「遊び単元」泥遊びからうどん作りへ…とても楽しかったようです。3学期は「そり教室」スキー場へ行って来ました。

〜〜〜〜〜

たくさんの先生方、ほんとうにありがとうございます。多くの方にこどもの成長を見守っていただき、心から感謝いたしております。



読み物