【エッセイ第64回】

マツさん

「Y先生」

私は、マツと申す者でございます。旧姓に「松」の文字があり、TVで「トミーとマツ」がはやった頃からマツと呼ばれるようになった私。とても嫌でした。なぜって、マツは、“○崎し○る”のことだから…!?でも、なぜか今では気に入ってます。

マツにも昨年、1年生を迎えた姫がおります。特殊学級の担任のY先生は、とても厳しいですが、同時に暖かみも感じられる先生です。年齢的には、私よりも少し“ベテラン”…かな?

しかしこの春、異動されてしまいました。出会った時にいつかは来ると覚悟していましたが、まさかこんなに早く“その時”が来るとは思ってもみませんでした。

Y先生のご指導により、たくさんのことを親子で学んだ気がします。限られた物しか食べられなかった姫が、毎日残さず給食を食べられるようになりました。待つことや、我慢も前よりできるようになりました。姫もまた、そんな成長のできる時期だったのかもしれませんが…。

「これからもY先生に安心してお任せできる」そう思ってました。そんな中、姫にさせてみたい目標もできていました。なので、今回の異動は心の底から残念に思っています。

離任式で花束を渡した姫は、先生に抱きつき離れなかったそうです。姫はこの別れをどのように感じているのでしょう。

次に来られる先生にも期待しながら、今後のY先生の益々のご活躍を心より願っております。



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