【エッセイ第67回】

ポポンさん

「6年生になって」

我が家の息子、早いものでもう6年生。(第13回のエッセイでは4年生でした。)朝、玄関で「いってらっしゃい。」と握手して学校へ向かい、帰りも満足そうな顔で帰ってきてくれます。入学当時の『1人で登下校する』という目標がようやくかないました。とはいえ、影に隠れて様子を見たり、雨の日や支度が間に合わない時は車で送って行ったりと、まだまだ手助けは必要ですが、それでも自信につながっているようです。

1年生の頃はそんな目標なんて、夢のまた夢のようでした…親子での登下校でしたが、通学路ではない道を歩きたがったり、信号もまだよく理解できていなかったので、とても危なくて、とにかく手を離さないようにしていたことを覚えています。学年が進むにつれ、少しずつ1人で歩くようになりましたが、♪3歩進んで2歩下がる♪の繰り返しで、こちらの思うようにはなかなかいきませんでした。

ある講演で講師の先生が「ハンディを持つ子どもの成長は、ちょうど螺旋階段を上って行くのに似ている。」とおっしゃっていたのですが、まさにその通りだなと思います。今では通学路途中の電気屋さんのおばさんや、ガソリンスタンドのお姉さんともすっかり顔なじみになり、声をかけてくれます。このまま順調にいって欲しいと心から願っています。

それから、6年生になって新しい趣味が増えました。ガンダムのプラモデル作りです。ガンダムは以前から興味があったのですが、プラモデルはクラス(情緒障害児学級)で取り組んだのが、きっかけでした。その時はほんとに簡単にできるものだったのですが、今はHGガンダムシリーズ(部品がとても細かいです)のプラモデルを、わからない所は夫に手伝ってもらいながら、もう20体近く完成させました。手先は決して器用でないのに黙々と作っている姿は感動ものです。『好きこそものの上手なれ』といいますが、ほんとにその通りですね。

先日も息子と2人でガンダムの映画を観たのですが、約1時間半の間、集中力が途切れることなく真剣に観ていたのでびっくり!内心まわりに迷惑を掛けないかとヒヤヒヤしていたのです。エンディングの曲が流れると、余韻に浸ることなくさっさと席を立って行ってしまいましたが、大満足だったようです。ガンダムは夫も昔から好きなので父子のコミュニケーションにもなっていて、2人でガンダムの話を楽しそうにしています。私の携帯の待ち受け画面もガンダムにされてしまいました。

…でも、まっいいか!

頭の中はガンダムのことでいっぱいの息子ですが、つい2・3日前、クラスのお友達が「小学校は6年で終わり?」と何度も先生に尋ねるのを真剣な顔で聞いていたとのこと。気がつけば、あと8ヶ月程で小学校も卒業。泣いたり怒ったり笑ったりいろいろなことがありました。そしてこれからもまたいろいろなことがあると思うけれど、卒業の時には「ほんとに6年間よくがんばったね。あなたは私たち家族の自慢だよ。」とたくさ〜んほめてあげたいです!!



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