第5回 ブルーアップルさん


「 一 喜 一 憂 」

〜 娘の笑顔と拍手 〜

私のハンドル「ブルーアップル」は、私が20と数年ずっ〜と大好きな某歌手の代表的な曲名からつけたものです。日本語に直すとすぐに分かると思います。(分からない人は年上の人に聞いて)

我が家の自閉症児は10歳になる小5の長女。未だ言葉はありません。3・4年に一度、ポツリともらす言葉はある。「もしかすると聞き逃しているかもしれない!」と、幼児期にはずい分気をつけていたのだけれど、年を重ねるごとに感度が悪くなっているかもしれない。娘からの要求は身振り・手振りだが、最近はそこに一言「ま」がつくようになった。手を合わせて「ま」と頼む。それでも要求が通らないと、いったいどこで覚えたのか土下座までする。(決して親はしていません) でも、なぜ「ま」なのか?そっちに気をとられ、音を発してくれたことに対してはあまり考えていなかった。 数ヶ月前も五十音表の【ん】を指さして、「ん」とわたしを見て音を発してくれた。 この時はうれしさのあまり「じゃ、これは?」と、簡単に答えられるであろう【あ】を聞いたが、娘の反応は「……」。直後にこんな質問をした己を悔いたが、あとの祭り…。 五十音表は娘の手によってかたづけられてしまいました。(チャンチャン) あせって言葉を出させようとしてもダメなのを忘れていた。 先月は、大好きな宮崎アニメのCDジャケットを見ながら「ドードー」と言っていた。 へっ?ドードー?何のこと?と思ったが、本人がうっとり眺めながら指さしているのは【トトロ】とっさに「そうだねトトロだね」と言ったら、ニコッと笑って拍手をしてくれた。(以前から代わりに言葉にしてやると拍手をしてくれる) しかし、今度はグッと我慢で、そこで終わらせた。 娘のたった一音でしかない音に一喜一憂している親。わずかな反応でも舞い上がってしまう、修行が足りないな…。

娘の最近のお気に入りをもう一つ。放送は終了したのですが、シリーズで長い間放送していたアニメ「おジャ魔女どれみ」。 このキャラクターの付いているモノすべて「欲しい!!」と、要求を出すようになった当初は、いろいろ買ってあげたいと思ったのですが、品物がありすぎて「勘弁して〜」になっている。 これまでは特に好きなものは少なく、初めて「どれみちゃんの本が欲しい」と要求が出た時は、すごく嬉しかった。小学生なのに幼稚園児用の雑誌を買っていた。 特に服を欲しがるが、サイズは幼稚園児サイズ…つまり娘には小さいのだ。 しかし、そんなことは分かるわけがない。「買ってください」と、手を合わせ、頭を下げてお願いされる。お願いされても買えないものはどうしようもない。 それ以後、どれみちゃんがありそうな店にはあまり連れて行ってもらえなくなったカワイソウな娘でした。

「娘の笑顔と拍手が嬉しいから、いつでも娘の反応をキャッチできるようにアンテナを磨いておこう。」「サビついて感度が悪くならないように…。」